そもそもマナーって面倒くさい
私はかねてより、勤め人たるや、みたいなマナーであったりの類いが大嫌いです。
私は、私が意味を感じないルールがとにかく嫌いで、例えばスーツなんかは、夏は暑いし冬は寒いし動きにくいし、これを着ているからといって得られるメリットが皆目検討もつきません。
社会に出て10年ほど経ち、そのすべての期間においてスーツ姿を強いられていますが、10年間ずっと「勤め人はスーツで出勤せよ」というルールを施行した者を呪い続けています。
江戸城地下で不死解明実験の検体にでもなればいいのに。ってな具合に。
他にも嫌いなマナーを挙げはじめたらいとまがないんですが。
今回は、食事マナーの、さらに言えば、和食の配膳マナーについて思うところをつらつらと。
和食の配膳マナーは欠陥
私ももうそれなりの年齢なので、いきなり素手で肉を掴んでかっ食らったり、フィンガーボウルの水を飲んだり、並べられたフォークとナイフを内側から使ったりといったことはしません。
なぜなら、食事におけるマナーが互いに不快な思いをしないための共通ルールである、という意味のあるものだと分かっているから。
私だってそれくらいのTPOはわきまえている。それはご留意ください。
私が問題視しているのは、こと和食においての「左ご飯 右汁物」の配膳だ。
ぶっちゃけ、主菜、副菜、副々菜については文句はない。というか、さして興味がないので勝手にしていただいて一向に構いません。
まずはこちらの写真をご確認ください。
フリーの画像の中で素材を探し出さなければならない関係で主菜、副菜、副々菜は完璧に配膳ルールが適用された形になっていないのはご容赦いただきたい。
この場合の主菜は魚なので魚が一番右奥にあるのが正解です。
今回、問題の「左ご飯 右汁物」の形となっているわけですけど、これ、最悪の並びじゃないですか?
食事をとるものが右利きであるという想定で想像してほしいんですが、一番左のひじきに箸を伸ばす場合、右手はどのような挙動になりますか?
あたかも右フックを繰り出すような形で味噌汁の上を通過してひじきにたどり着きますよね。
そう、それ。その「味噌汁の上を通過」するのが最悪なんですよ。
腕を引っかけて味噌汁をこぼす、というリスクをはらんでいますよね?
毎日の食事のシーンでこんなことが許されていいわけないでしょう。もっとKY活動(危険予知活動)していきましょうよ。
この右フックで味噌汁をこぼした日には、藤田が右フックでヒョードルのダウンを奪ったシーンのように、同席者だって「ひとつのさざ波もたたなかった食卓に波紋!!!」なんて、叫びながら非難轟々ですよ。
そんなんじゃ駄目です。
実際、我が家での食事の際、子供の食事の配膳について、一応はマナーに習った並びで提供していますが、やはり右フックで何度も汁物をこぼしてしまう。
食事の様子を見るに、これは私の子供の不注意だけに留まる話ではなく、「左ご飯 右汁物」という並びに根本的な原因があると確信しました。
そもそも、この「左ご飯 右汁物」でなければならない理由をGoogleに問いかけようとも、満足な回答は得られませんでした。
昔にそう決まったからとか、果ては、汁物に対してご飯の方が上位であるのでご飯が必然的に左側、などとスピリチュアルな話を展開してくるのでマジで頭が痛くて仕方ない。
マナーというのは、そこに関わる人間が心地よく参加するためのルールであって、誰か一人の満足のためにあるべきではないし、いつまでも旧来のナンセンスなやり方を引きずるべきではない。
定期的にアップデートされ、その時々の文化に寄り添ったものであるべきだと、私は思う。
配膳の改善案を提唱いたします
旧来の配膳マナーは床に近いところに並べられ、食事を取るのものと十分な高低差を得る前提のデザインとなっています。
イスとテーブル、畳でちゃぶ台、どちらであっても前提となっている高低差は得られません。
現代の食事においてはこの配膳マナーはナンセンスと言わざるを得ません。
多分、この配膳マナー強制し続ける人間は現場を知らず机上だけでものごとを決めてしまうタイプの人間でしょう。
おそらく飯を食ったことがありません。
右フック痛みを知りません。
また、左上位の考えからご飯茶碗が左にあるとのことですが、ご飯が汁物より上位であるという格付けの理由が、現代においては炭水化物ダイエットなどと、ご飯をないがしろにしていたり、なんなら食卓に登場しないケースもありえることから、このあたりも無視して問題ないでしょう。
私が提唱する新たな配膳マナーはこちらです。
特に注目してほしいのはここ。
このズレが超大事です。
このズレのおかげでご飯茶碗を手に取る際に左手が汁物の上を通過することなく、干渉しないので安全というわけです。
水平に並べてしまっては、また汁物の上を通過することになり、今度は左フックで汁物をこぼしますよね?
写真のような並びにすることで、左手から汁物までの間はさえぎるものがないのでアクセスもよくなります。
よって、本稿でこれまで特に言及していなかった「器を持ち上げて口に運ぶ」という基本マナーについても容易にクリアできている、というわけ。
主菜などに関しては前述のとおり、あまり興味がないのでどこでもいいのですが、改善案のとおり右側におかずグループとしてまとまっているといいかもしれません。
副々菜の小鉢を持ち上げなければならないのですが、左手が通過するのはご飯茶碗のみなのでまあ問題はないでしょう。
おわりに
いかがでしたか?
現代の食卓において、とても効率のよい配膳になったことと思います。
なんかよく知らない偉い人がこちらの記事を参照して、改善のためにアクションを起こして欲しい次第でございます。