あらすじ
ありとあらゆる命題に明確な答えを用意せず、
生理的欲動の充足のみをシコシコ満喫しその日暮らすような説得力ゼロ青少年たち。
そんな中でなんてことない日常を過ごす
ヘッドフォンの少女ヒドミ。
彼女が轢かれた夜、クラスメイトの少年・井手の額からから巨大ロボットが出現した!
ハル子から分裂したラハルとジンユと出会い、
"特別なこんなんてない日常" が 終わりを告げるー!!!!!
もうね、プログレはあらすじの時点で飛ばしてますね。
オルタナがOVAに並べられていた材料をもとに再構築したAlternative "もうひとつの選択、代わりとなる" 物語だとしたら、今作、プログレはProgressive "進歩的な、革新的な" 物語なんだ、と捉え、鑑賞に臨みました。
"轢かれる"と"額から巨大ロボット"などがOVAですでに並べられていた材料だとしても、
"ハル子が分裂した"という1点だけで、これから観ようとしているものが予想し得ない領域に踏み込んでいるな、という印象をこのあらすじから受けましたからね。
オルタナに続き、極力ネタバレを避けながら今作を観て何を感じたのか綴って行きます。
何が良かったのか
オマージュ
イントロダクションはオルタナよりもOVAをオマージュしてくれてます。
物語の進行の仕方やイベントが起こる背景など。
似てるけどなんか違くてどんどん違う方向に物語が進んでいく事を予感させる導入部はかなり好きです。
オルタナよりOVAになぞらえるシーンが多く感じられました。
会話
男子学生3人のやりとりはOVAの3人のようで良かったです。
あの子らが中学生になっていたらこんな感じなんだろうなぁ、というのを感じさせてくれました。
なんてことはない日常の会話もフリクリの魅力のひとつです。
カ、カn......うわぁー!!!!!
あー、言いたい!
言いたいけど、言えない!
これについては、Blu-rayが出た後に書きたいと思います。
登場人物みんながラストに繋がる
登場してきたキャラクターみんながクライマックスに向かって走り出して行きます。
無駄に思える登場人物がいないのはとても良かったと思います。
別の作品名を出してしまうんですが、キングゲイナーのラストもみんなが頑張ってクライマックスに向かっていく演出だったんですけど、こういうのがベタだけど熱くて結構好きですね。
何がイマチチだったのか
ラハルの声
林原めぐみ氏のファンの方には申し訳ないが、正直に言ってラハルの声は新谷真弓氏が良かった。
台詞も言い回しも旧来のファンに気を使って寄せてくれてるのがガンガン伝わってくるんだけど、寄せれば寄せるほど、こちらとしては、そうじゃないんすよ、という気持ちになってしまうんですよね。
オルタナで新谷真弓氏が台詞修正していたという実績もあるので否応なしに今作でもそれをやってくれていたらどうなっていたのか、というのを気にしてしまう。
ジンユくらい割り切って別人格として扱ってくれた方が気持ち良かったと思います。
the pillowsの楽曲の使い方
やっぱり、一曲一曲を大事にしていないんじゃないか、という印象を受けた。
まあ、実際、これに関してはスーパーバイザーでOVAで監督されてた鶴巻氏以外には再現できないし超えてくることは難しいんじゃないかと思う。
ハルハラハル子というキャラクターが新谷真弓氏の声にインスピレーションを受けて出来上がったように、ピロウズの楽曲にインスピレーションを受けて絵コンテを構築したりしたんだろうし、そういうプリミティブな感性って真似ようとしてもオリジナルの熱量を越えることはかなり難しいことだと思うので、鶴巻氏が製作に直接携わっていない時点で察するべき点だったのかも知れない。
中だるみ
ラハルの新谷真弓氏に寄せてる感とか作画とか演出とかそういう諸々の影響により感じる中だるみは確かにあった。
ただ、これは後半、クライマックスに向けて再度スロットルを捻り直してくれたので、そこまで気にしなくてもいいかな、と。
欲を言えば始まって終わるまで常にMAXフルスロットルで観てるものを突き放すくらいの勢いで行ってほしいっていう願望があった。
まとめ
今作では、OVAのその後が描かれています。
私のように新谷真弓氏が演じるハルハラハル子に強い思い入れのある方は、ショックを受けるかもしれませんが、ストーリーの続きが気になるのであれば自分の目で観て確かめていただくとよいと思います。
OVAを復習してから鑑賞に臨みましょう。
今ならAmazon Primeで観られます。